姓名判断への一疑問

姓名判断の主流は、字画で判断するものだ。

字書の源流の『説文解字』の配列は、太始化成の元である「一」に始まり、十干十二支など分化の極である「亥」に終わる―とされる。

現在の部首別漢字辞典の規範となった『康煕字典』の配列は、部首の配列も、部首の中の字の配列も全て画数順。
白川静『字書を作る』によると、字はその構造的な原理から離れ、その構造的な意味も捨てられ、ただ筆画くの形式によって分属配列されている。そこにあるのは、すでに文字ではなく文字の形である。意味を失っている記号である。


現在の主流の姓名判断の字画の数え方は、康煕字典によっている。
文字はそもそも文字成立当時の生活の仕方・思惟の仕方をそのまま反映しているものである。
その意味を失った単なる記号の画数をもとに、人の一生の盛衰を判断することに、本当に意味があるのだろうか。

白川静という今はなき大きな知性に触れて、そんなことを感じた。

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新井 典生

《プロフィール》
高校1年生のときに自宅で塾を開きました。中学生を対象に大学4年生まで7年間、塾を続けました。
40年間の会社生活では、企業法務・人事・メンタルヘルスを経験しました。
この間、心理カウンセリングと易学を学びました。
そして、40年の会社生活の最後の最後に、人材育成インストラクターに戻りました。
1.人材育成インストラクター
2.心理カウンセラー(再決断療法)
3.占断応需(周易、奇門遁甲)

《資 格》
BCBファシリテーター
産業カウンセラー、THP心理相談員、衛生管理者
思考場療法(TFT)上級セラピスト、再決断療法カウンセラー
大阪商工会議所メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種
易学、奇門遁甲

《所属団体》
日本産業カウンセラー協会
日本自律訓練学会
日本プロフェッショナル講師フォーラム。

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